金星の瞳/クリ
 

きみの瞳はふたつの金星(ルシファー)
夜明けに地球で独りの僕を
嘲り笑って逃げていく

きみの瞳はふたつの金星(ヘスパー)
宵に近づくうつろな耳に
やっぱり私が悪かった

どちらにせよ
睡(ねむ)たげな金星の光は
僕を眠らせない
何も分からない
誰がしあわせで
誰がふしあわせか
こんな時には何も分からない

落ちてゆく。
信じている。
たわむれる。
日の入から。
日の出まで。
あざけりと。
ほほえみと。
信じている。
落ちてゆく。

きみの瞳はふたつの金星(ヴィーナス)

高校生のときの詩

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