深度2/まれ
薄情な 青
鳥 の群れが横切って yokogitte往く
「帰すべき者へ、
おれたちは告げる。」と鳴いている
ぼくは夢を見て起きた。あれはなんだったんだろう?
こころが変換できなくなる夢。明るくなりかけた空を見上げてガラス窓にひたいを押し付ける。
ああ、この薄い空。大気と土のなわばりを分ける薄い膜。
このガラスみたいに、
それは頭のすこしうえ、背伸びしてやっと触れる高さに
張られていて。屋上で宇宙を見ようと思ってもかなわないのは
それのせい。
>帰すべき者、いま、まだ夜は明けきっていない
おもわず屋上へ出て、自我のうすい膜を破り宇宙(そら)へ出てみても
きっと届かない
戻る 編 削 Point(1)