ライバルは電子レンジ、冷蔵庫の憂うつ。/夕凪ここあ
 
おかえりなさい。

あなたは部屋に帰ると
私のことなんか目もくれず
あの子の体に真っ先に触れる
私がいくらすねたって
どんなに泣いたって
見向きもせずに
最近のお気に入りはもっぱらあの子

だって私の体はとっても冷たいし
まだまだ外は寒いもの
あたたかいものが恋しいのはわかるけど
せめて一日一回は私を見てほしい

夜寝るときに
私は毎日ひっそりと泣くのだけれど
静かな部屋に機械音が響いてしまう

あぁ、コンセントは抜かないで。

すっかり空っぽの私は
あなたに必要ないのかも知れないけれど
まだあなたのそばにいたいから

あなたは明日もあさっても

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