タバコの人生/ねなぎ
 
人生なんて
タバコみたいなもので
吸っても別に
どうって事ないのに
有害で
蝕まれていくのだ
長く吸っても
短くて消しても
どうせたかが
知れているのに
渋くなっても
吸い続けてしまうんだ
香りがまとわり
慣れてしまい
匂いをまったく
気にしなくなる
灰を落として
灰がこぼれて
やたらに散って
消えていく
焦げ跡もつくし
良いこともない
暇を持て余し
何も考えたくない
人生を一本の
タバコとするなら
僕はどのへんで
燃えているのか
それとも
消えてしまってるのか
そんなもんさと
ヤニが着いた歯で
笑う
肺の中まで
はらわたまで真っ黒で
死んでいく
目に染みたり
喉を痛めたり
とても悪く
別にどうって事ないのに
やめられないんだ
そう思うと
タバコをやめようかなんて
考えたりする


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