冬々/
ふく
空はしろでした
捨て場のないしろ 冬の朝
どうも空の手すりに手が届かないのです
時の音は軽やかにエレベーターを上るのだけど
空はしろでした
揺れても泣いてもわからないしろ 空は、青かったかしら
どうも風を吹かすことができないのです
閉じられたあれに手をのばすこともしないのだけど
空はしろでした
カーテンの白に反射するしろ 冬の朝
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