遂にここまで辿り着いた/ナイチンゲール
 
7年前、僕は同い年の少年に憧れていた。
彼は小説を書くのが趣味だった。
本屋に置いてあるような小説を自分の手で書いていた。
彼はクラスメイトとほとんど話さない浮いている存在だった。
でも、担任の先生がしきりに君の小説はすごいと褒めていた。
彼のする事為す事すべてが自分達より大人びて見えた。

6年前、僕は気違いと呼ばれた先生と出会った。
美術の授業なのに筆なんて握らせてもらえなかった。
彼は授業中ずっと自分の考えを僕らにぶちまけていた。
やっと絵が描けると思ったら、
自分の中に眠る三人の自分を描けと言われた。
僕は鏡に映った自分の顔を三回描いた。

同じ年、僕はクラスか
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