白紙/渡邉建志
 
 
はじめにあるのはくらやみだった
すべてうしなったきみのなみだが
こおってゆきになりくらやみに
ふりつもっていきもじができた

わたしはきみのそのしをみていた
しのよはくにうまるきみの
うしなったもののおおきさを
おしはかることすらできずに
ただわたしのうしなったことと
かさねあわせてよんでいた

ゆきよふりつもれ
きみのかなしみに
ゆきよふりつもれ
きみのくらやみに
ゆきよふりつもれ
きみのどんぞこに
ゆきよふりつもれ
きみがそのうえに
たつことができるまで

ゆきはふりつもって
しははくしになった
わたしはそのまえで
ただたっていた
 
 
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