EYES./仲本いすら
どこかの国で 単眼症のやぎが生まれた
彼は見世物になって、きっと将来はホルマリン漬けになる
死してなお、見世物になるのだ
彼は未だに、その単眼で
自分の行く末を冷静に見届けていると言うのに
どこかの国で プロジェリアの少年が息を引き取った
彼は今まですべての苦痛と戦い、すべての目と戦い
そして、燃え尽きていったのだ
彼の死に顔を見ていたわけではないが
やすらかな顔だったと、そう願いたい
どこかの国で 赤ん坊の顔と鳥の体を融合させたヤツがいる
それは芸術作品として、展示され多くの人の目に触れる
キモチワルイ、と吐露してゆく人もいるのだ
その赤ん坊
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