ノート(40Y.1・13)/木立 悟
 


建物の谷間の空き地から
町を分ける河が見える
もう作られることのない鉄橋の
橋脚ばかりが並んでいる
雲の居ない水面と
船の窓に映る汽車
そこにしか棲めない生き物のように
現われては消え
消えては現われる




[グループ]
戻る   Point(2)