ノート(ひかり たわむれ)/
木立 悟
水に打たれて
鳥になる雪
おしとやかなだけで
いいのですか
花の吸いがら
雪硝子の背
どこかの国の
旗のよな空
黒い丸から
生まれた春とて
羽を知らぬは
不憫なり
うたごころ
はて うたごころ
ああ あのように
からだひらいて
風のない日に
そよぐ枯れ草
鴉のゆくえ
鳴らす冬の手
重なる枝と
同じ数の空
まわりつづけて
なお 光るなり
はばたき交わす
空の上の空
高みへ 高みへ
なお 光るなり
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