北風小僧/LEO
鈍色の空にマーブル状の模様をひと通り描いてご機嫌な様子
今度は地上へ下りてきて 銀杏の葉の降る方へと螺旋を描く
相変わらずの悪戯を繰り返し空の中ほどで口笛を吹いている
おしまいに鈍色の空に光の通る道を少し開けて静かになった
私といえばコートとマフラーと手はポケットに
風が吹くたび背中を丸めて寒さにはすこし弱い
道路添い 隅にかたまった落ち葉の上を歩けば
ほら ね 何だかいつもと違うのは冬の匂いが
枯れ枝と落ち葉を焼いた煙がさっきの空に昇る
途中でそれが白く光って笑ったような気がした
「おぉぃ、寒太郎ー
今年も来たんだねー」
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