ノート(42Y.11・21)/木立 悟
 




半分描かれた
絵のなかの原
どこへそよぐ
絵のなかの原



ことり
ことり屋の前をゆく
ことり
声は少なく



一本空けた
りんごの酒
二本めは苦く
陽はまだ高く



少しだけ欠けた
青空の家
住むものもなく
渇いてゆく喉



あめのみちのつちのはた
ちいさくひとつかがやくきんいろ
とおりすぎるときにだけ
ちいさくひとつかがやくきんいろ



午後の冷たさ
もみほぐす手に
雨の音だけ
降らせる風



角で途切れた
絵のなかの道
どこへつづく
絵のなかの道












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