へんげ/炭本 樹宏
凍えるほどでもないが
しかし水は冷たい
毎日の儀式
水シャワーを浴びる
まず下から徐々に上に
最後に頭から浴びる
突き刺すように水が肌に刺さる
思わず声が出る
身体が必死で生きようと
熱を出す
そのうち快楽が訪れてくる
このうえなく身が引き締まって
けがれが落ちていくように思える
浴び終わり
バスタオルで身体を拭く
生きてる喜びを感じる
暖かい格好をして
アイスコーヒーを飲みながら
煙草をふかす
さぁリセットボタンを押した
新しい自分に変化(へんげ)した
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