ノート(風下)/木立 悟
 




わたしが歩くと
風下が来る
今日は
羽だけの生きものが流されてきた
ただ生きているだけなので
また
流されていってしまった



羽だけの生きものは
風の柱をまわっている
もう一度触れたいのに届かない
風下は
離れていってしまった
わたしから
離れていってしまった







[グループ]
戻る   Point(3)