八日間/蒼木りん
曇りでも明るい空だから
月が太っているのだろう
八日の間に
何となく用があってよかった
八日後に
逢えるだろう君と
束の間の時に
望むべきを
叶えるべく
毎夜
私は妄想する
月夜に
木犀の雨が降る
少し
哀しい話をしよう
標的は
その核心
打ち抜いて
幻のまま
蒸発してしまいたい
私は
私の裸は
女であるから
無意味に過ぎゆくような日々に
痺れながら君の
こころを奪う企みの
楽しさ
哀れではないのよ
金でも
名声でもないことを
望んでいるのだから
八日の間に
この香りが届き
君の触角が
ちろちろと
私に伸びてきたら
うれしい
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