理由/さいらと
 
伽藍の中にいて
私の指先を動かすのは
やっぱり私です

詩を書いたり
批評をしたり
バスの回数券を千切ったり
手首に爪を立てるのも
私の仕業です

なにより私は詩が好きなのです
詩を書いている自分の事も好きなのです

なので私は
自分の指先で自分を殺してしまわぬよう
詩を書き続けます
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