白き腕/
唯浮
サロメは報われない恋心を抱いていた預言者ヨハネの首を欲したが、
私は彼の腕を欲す。
その腕の白きこと蝋を塗りたるが如し。
繊細なる指から零れ出づるピアノの音色。
彼の全てが欲しい等とは言わぬから、せめてあの白き腕だけでも…。
そう思うことは罪なるかな、罪なるかな…。
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