はたちのわたしと親父/蒼木りん
晩酌の
手酌の親父に差し向かい
一応
父親に許可をいただくために
切り出した
車を買い換える件は
見事
頭ごなしに却下され
その真意がわからずに
湧き上がる怒り
御父様
こちらが
歩み寄っているのですよ
こんな話でもなけりゃ
わたしとあなたは
ろくな話もしないでしょう?
何を卑屈に構えて
ちゃんとした理由を言え!
ちからまかせ
部屋の扉を閉め
カーテン引きちぎる
窓から
そこらじゅう投げ捨て
破り捨て
叩き壊した
この
ク・ソ・オ・ヤ・ジ!!
泣くか
バカらし
数日後
投げ捨てられていたものを
姉がきれいに
拾っていた
わたしは
とっくに忘れていたけど
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