高い場所から/蒼木りん
朱色の雲が
いまだ蒼さの残る空に
虹を想わせる
嗚呼
今日は
こんなにも惜しく思う夕刻の空
地を這い回っていない時
君と見られたらよかった
飛んでいけるだろう
その色の中に溶けて
切ない感覚となって
自分たちの力では
変えられない
小さな希望だけでは
どうしようもない
枷
ビルの影
人波
明日という詞
同じ方向を向かない
共通点は点
発見は喜び
愚かではあっても
いずれにか
君とも
あの
よりそう月星も
見せれずに
すぐに地に沈んでしまった
重なるのは
偶然か必然かの一点
今日ではなかった
残念だけれど
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