ノート(38Y・4.12)/木立 悟
 




    荒れ狂って
    荒れ狂って
    風が見える夜
    誰もいない道がつづく夜


    黒が雲のかたわらを過ぎ
    銀の手となり地に降りそそぐ
    さまざまなものが吼えている
    夜の晴れ間に突き刺さる


    荒れ狂って
    荒れ狂って
    月が落ちる夜
    誰もいない道に沈む夜









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