浮き雲/umineko
去年の年賀状の返事も出さないうちに
また来年がやってくるというのか
引っ越してからまだ一度も
開けていない段ボールがひとつある
正直怖い
お引っ越しのお祝い返し?
オノレはキャンディーズか
つながる速度は加速度に速く
そしてもろい
肉体は朽ちていく
君の魅力がこぼれている
そこが川土手の草っぱらでなくても
ありふれたベランダのデッキチェアでも
狙いすましたオープンカフェの
奥の席でも
寝っころがって さ
あー
なーんか
のんびりするよー
そういって
ほんとうに
なんにもしゃべらず
それを浪費と呼ぶ人は去ればいい
君も
たぶん望んでいるんだ
もう
何だっていい午後の日ざしは
ゆるやかに傾いて
ことば とか
それはただの前置きであり
携帯も
瞳もオフで
僕らはぽっかりと浮かんでいる
君の前世は
雲 だったね
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