独りのノート(38Y・9.18)/木立 悟
 




    線引きされた空からあふれ出て
    黒雲は地へ
    黒雲は地へ
    つながるものがなにも無いところへ

    
    おまえには何でも話せそうだ
    だがそれはまちがいだった
    降る夜のなかで
    あらゆる有機の棘がかがやき
    つぶやいていた


    山の向こうの午後を燃やす火
    青黒く悲しく天に戻る
    独りの翼を見つめていた


    おまえには何でも話せそうだ
    だがそれはまちがいだった

    
    おまえには何でも話せそうだ
    だがそれはまちがいだった










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