ノート(25Y・10.16)/木立 悟
 




    教会の屋根裏部屋に
    無理矢理押し込められて泣き叫ぶ巨人のキリスト
    空はほおずき色の仮面
    閉じかけた口が地に近づく


    くずれかけた家
    夜は来ない
    窓だけの朝
    後ろにはなにもない
    影を喰いに来た家畜


    炎の手がつかむ雲
    土と木の皮が付いた髪を照らす
    新月 川をせき止める廃船
    森を着たけもの
    蒼い 蒼い 蒼い
    無色という名の間投詞







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