渇き/
蒼木りん
触れることも触れられることも
拒んでいた手
そんなことすら
忘れてしまった手を不意に繋ぐ
温かさ
そんな空想が
思考の隙間に挟まって
消え
誰も
何も知らない私を
存在させる
この風景に溶け込んでいたのに
まだ
新鮮な愛に似たものが
欲しいのだろうかと
胸の渇きぐあいを確かめる
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