ノート(雀)/
木立 悟
たくさんの雀が
それぞれの空を持ち
わたしの内をはばたいている
淡い羽が 喉を昇り
外に出て 腕に乗り
別の色の 空へ帰る
繰り返す
今まで三度
一羽ずつ
助ける間もなく
目の前で死んでいった
三羽の雀が
わたしの空洞で増えつづけ
あちこちに ぶつかり
あたたかく つめたく
はばたいている
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