ノート(38Y.6・11)/
木立 悟
空が冷たくなってゆく
家の前に置かれた鉄屑
うすいうすい紅の壁
空気のなかの淡い粒が
今日はいつもよりかがやきを増し
狭まってゆく路地を流れる
外に出れば午後になり
鳥と雨が混じり合う
押されれば戻るもののように
雲と風は行き来する
手のひらと時を行き来する
[グループ]
戻る
編
削
Point
(1)