カナカナ/
蒼木りん
カナカナが
鳴いていた
紅の夕日が沈むのさえ
浸れない私だった
いつの間にか
蚊に刺されていて
皴の多い手は
なかなか美しくなれないでいる
自分だけを愛していた頃は
夢も見れたのに
どうして
魂まで売ってしまった
買い戻す術を探して
四苦八苦をたどる
ドナドナを唄う
青い目の人形を唄う
カナカナカナは
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