ノート(37Y.12・26)/木立 悟
 




   広く浅い湖で
   互いの影を揺らしあうふたり
   幼い遊びを繰りかえすふたり



   太陽が一度も出ないまま
   午後がすぎ
   夜の蒼が来て
   街のすべての鉄をふちどる



   湖にひろがる
   夜 朝 午後
   帰る場所を失くした空と蒼のなかで
   ふたりは水紋をつくりつづける





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