連絡船・函館/たりぽん(大理 奔)
 
港を背に
路地を抜けると
山の中腹に向かって
道は登っていく
海からの
北風を受けて
枯れかけた草むら
そこにあなたの
標がある

数えるのはもうやめた
齢だけじゃない
なにもかもだ

坂の途中の
サルの家も今はなく
この街を静かに去ろうにも
二度と岸壁を離れない
戻る   Point(3)