首吊り流星群/あおば
お玉が池の近くの
ポエム道場に通っていた頃のこと
冬の寒い夜に
一丁目の
首塚に抱きついて朝まで眠ると
霊感を得て
いい詩が書けるようになる
先輩から後輩にこっそりと告げられる
うそに決まっているのだが
いい詩が書けなくては
いつか
道場を破門させられる
スランプが続くと
自信がなくなって
いつかは
藁をも掴む気持になる
破門は可哀想だけど
結局は
本人のためになる
凡人が目を覚ますには
早ければ早い程良いのだと
先生はおっしゃるのだけど
高校を卒業する前に
両親の前で
三十前には
詩で飯が食えるようになるんだと
大見得切って
束脩を出してもら
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