ノート(けだもの)/木立 悟
 


白の白からはじまる声
ゆるくほどける水の鳥
ひろくとどまる陽の光
町に渦まく影を着せる


散る鳥 生まれる鳥の中心
人と機械の目のなかでさえ
生きた絵のように咲きひらき
繰り返し繰り返し鳴りひびき
多くの空のひとつから
したたる光の傾きから
次の町へと去る者の背に
はばたく耳に降りそそぐ


朝は けだもの
空の けだもの


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