深夜番組/
Monk
深夜にテレビのスイッチをいれた。
テレビは番組を映し出した。
「どうだ?」 テレビがきいた。
「べつに」 僕はこたえた。
番組の中で観客が笑い声をあげた。
「笑わないのか?」 テレビがきいた。
「笑わないよ」 僕はこたえた。
暗い部屋にブラウン管の光、つまさきを照らした。
僕のつまさきは他人とはずいぶん違うように見える。
それを少し気にした。
「お前にひとつ教えてやろう」 テレビが言った。
僕はそのままつまさきでスイッチをきった。
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