22の初夏/クローバー
一人称は怖ろしい
野イチゴの時期が終わりを迎える
サツキの花が申し訳なさそうにしぼんで
紫陽花が幼児のような色をして準備している
時計の咳が聞こえる
ウグイスが鳴いている、練習不足のとき
人は箱に向かって歩いている
化学反応、人が人に出会う
いじめっこが学校の先生になるという
梅雨前線がイライラと北上する
キャミソール、ハンカチ
人は箱に向かって歩いている
いじめられてたのは
初恋の女の子
人と人との化学反応。
子供だった。
先生をただの人とは知らない。
おいで。と言えば
逃げ
どっかいけ。と言えば
近づく
僕は知らなかった。
一人称は怖ろしい
女の子は
さようなら、をうまく発音できない
時計の咳が聞こえる
いじめっこが学校の先生になるという。
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