セレスティアル/
朝倉キンジ
空気中を諸分子が漂うとき
光と一緒に駆けていく何かがいます。
冷たいかぎりの空のむこうに
銀色の紙がヒラヒラ見えるでしょう。
あれはその何かが 早朝の霧雨の中で
願いを燃やしたので そう見えるのです。
そういうわけで 冷たい霧のむこうから
小型の記憶が見え出したら
私も出発しなきゃなりません。
戻る
編
削
Point
(5)