カタツムリの無理な願い/ペン太郎
 
「テクノ」だけは嫌い。

カタツムリは好き嫌いをタムシの拳ちゃんにささやいた

拳ちゃんは友達になりたくて

時々テントに一緒に寝袋で横寝したかっただけなのに

カタツムリは又、手の吸盤についた砂をなめてるね。

拳ちゃんは傷つくのが怖くなり

カタツムリの背中にさよならを伝え、

とぼとぼ、若草の息の臭いオバーチャンの坂を

ゆっくりカタツムリの方に振り向きながら一歩一歩、

歩いてるかと思ったら、サンダルを手にはめて、

歩いている音を鳴らしてたね。

カタツムリはそのリズムに合わせ、

テクノの踊りを踊りだした。
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