しろの病室/ふく
 
白 しろでした

私の見えるものといったら
白灰空と窓のがくぶち、それに白壁でした

目を閉じて開いてみても
空はしろでした
少し機嫌の悪い 使いふるされた絨毯がひいてあるだけでした

やがて夕がきて 絨毯の色が変わると
窓のがくぶちには 室内灯のUFOがうきはじめました
右隅では 大部屋仕切りのカーテンがオーロラになっていました

白壁に夜がやってきました
室内灯でグラデーション 様々なしろです
寂しさがティッシュを差し出してきました
私は ひとりと臆病さになきました

ただ 寂しくなきました
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