ぶすきのこ/蒼木りん
そして
呼吸によってこの世を汚している
私の吐く息は毒である
身体中が毒で汚染されている
先ず
この部屋の空気が淀み
煙ったように見える
見える人には見える光景
私は
そのような人を見分ける
普通のふりをして
黙って見詰めるのだ
狐面の下
きっとその手には
鎌が握られている
いつも私の指を切ったから
簡単なことがひとつある
私は馬鹿なのですがと言って
尋ねることだ
仮性認識障害酸素不足の脳
答えは
いつもそんなにむづかしいものではない
馬鹿さ加減を一つ二つ
痛いほほ笑みをつけて披露すればいい
私は
ご覧のとおり
ぶすきのこです
私の
白い骸骨を踏むと
黄色い胞子が飛びます
闘う
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