殻の部屋/
蒼木りん
無垢の愛を
幾度も拒否された
記憶の断片が
帰り道を作っていた
種をまいて
種をまいて育て
愛を乞う人を観ると
卑しいと感じる
白い毛むくじゃらが
眠そうに黒い瞳で見上げる
撫でると
ただ撫でられている
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