僕の本気/チャオ
たどり着くことの出来ない場所。
そこへ向かおうとしても、そこへ向かって走り出しても、たどり着くことの出来ない場所。その場所に本当の自分がいると感じる。
「まだ本気なんかじゃないさ」
と僕はよく言う。確かに本気じゃない。けど、僕は自分の本気を出すことが出来ない。誰だって一緒だ。本当の瞬間。しぬほど怖い瞬間。その瞬間を越えたときにしか僕は、本物の僕になれない。そのときだけ、僕は本気の僕を見る。
もしかしたら、負けるのがしぬほど怖いのかもしれない。本当の自分が負けるってことは、どうあがいても負けることなのだから。それでも、戦う意志を持った瞬間だけ。そのときだけ、僕は僕の本気を見ることが出
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