グシャ/蒼木りん
 
拒まれたこと

もし
それが根源だとするなら

私は自ら
拒むことを繰り返し
霧の向うの記憶を
何度も確認して
一方では
また拒まれることを
恐れているのだろう

泣いただろうか
その時の私は

そして
克服の場面を与えられているといえなくもない
日常の

それは
自ら択んだという
言い逃れを赦さない目


お昼のテレビだけが
現代を私に伝えてくれる

日に焼けた女の子達
キティちゃんのような白のミスマッチ

女の子も男の子も
若い夫婦も

みんな喋りたい
みんな欲しい

みんな

ひとりの
私であるところの私は

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