夜はぼんやり/蒼木りん
きょうは
夏の日のように川が緩やかに流れていた
わたしは
思い立って石飛ばしをした
水平に石を投げて
水面をトン・トン・トンと飛び越させる
向こう岸に石が届いたら
わたしの勝ちだ
とにかく
勝ちなのだ
それから
一時間はあっという間に過ぎた
腕の血が
振られて指の先端に集まる
明日腕が辛いかもしれない
やめた
ということは
勝てなかった
再度挑戦するぞ
と川に言い残して去った
それ以降川は流れが雑になり
石飛ばしに最適な流れにはならなかった
と
ここまで想像
夢と変わらないような結末だ
しかし
ぼんやりするのは
気持ちがいい
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