五五の唄/佐々宝砂
 
仰向けば重たげに垂れる舌
首に添い肩に寄る手と脚と
なまぐさい銀色の銃弾と
夢でしか抱き得ない赤ん坊
空のいろ雨のいろ土のいろ
変えられず消せもせず創り得ず
肉体の放電を止めぬまま
楔打ち楔打ち酸化して
田園に吹きゆらぐビル街に
夜の釘解き放ち風を研ぐ

[グループ]
戻る   Point(3)