自由人を気取る/YAMATOMO
 
二週間の予定で出かけた放浪の旅は

積み重なった道々をただ点々と歩くだけで中盤を迎えた


手に持った森博嗣の難解なミステリーは
カバーのほころびと共にすでに読み終わった

流れるように頭には入っていないからキャラの名前なんかほとんど覚えていない


見知らぬ街はそれほど珍しくはなくて
店頭に並んだスイカを見て

日本も情緒ってものがなくなったなぁ

なんて知ったかぶって知識を一人語る

生まれてこのかた、この時期にスイカなんて食ったことはないんだからしょうがない


坂を昇って転がって落ちるって事を昔考えたことがある
ゴロゴロ転がったいったら俺はどうな
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