鱗/蒼木りん
 
わたしはまた

鱗をひとつ剥がしてしまった

薄い虹色の



「ごめんなさい」を

三回言った


まるで

申し訳なさのないのを

隠すかのような


99%の予想どおり

何かの手続きのように

あなたは

「大丈夫」と言った



剥がした

一枚の鱗の痛みは

風に飛ばされてしまったごとく

またすぐに消えるのだろう


戻る   Point(3)