カルメン/天野茂典
 


   赤い緋のようなマントをつけて
   出て行った
   カルメン
  

   あの熱い体でどこまで踊れるのだろう
   熱を図りもしないで
 

   カルメンの踊りが始まると
   見るものは釘付けになった
  

   どこにあんな情熱を秘めていたのだろう
   どこにあんなみなぎる体力を持っていたのだろう
 

   ジプシーの踊りはいまや絶頂である
   誇りと酒とタバコとフェロモン
   踊り子の汗が飛んでくるのだ


   カルメンいつも栄光とともに
   ステージからおりる
   豹のような目で振り向きざまきらっと睨んで



            2004・12・15

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