さちゅうのにじ/フユナ
 





ようようくりかえすことばを
きみにいえるわけがなく
しらぬまにきれたひふが
ゆっくりとすなにしずんでゆくので
「ゆーとぴあ」とぼくがいったが
きみにいえるわけがなく
ただしらぬまにきれたひふが
ゆっくりとすなにしずんでゆくので
「さよなら」とぼくがいったが
きみがきこえるわけがなく
ただずぶずぶと
ぐずぐずと
あてもなくうずまってゆくので
にじはひらひら
そこにただよっているのを
きみにいえるわけがなく
みのがしたししんけいが
ゆっくりとすなにしずんでゆくので
にじも
ぐずぐずと
すなにしずんで
いった。
 
 
 
 
 
 

戻る   Point(2)