陽に溶ける/蒼木りん
君は夜眠るのを惜しまないが
休日の昼寝を惜しむ
眠くて仕方がない陽の下で
私は遠くを眺める
出来るだけ遠くの境目を
そんなときにはいつだって
実りある考えは浮ばない
未来も見えはしないのだから
いつでも勝手なストーリーの
夢にでも身を任せようか
いつからか
長い時間
じっとしていられるようになった
大人になったのだ
この私も
会話が下手なだけの大人に
君
独りぼっちにならないための犠牲は止せよ
自分の足音だけ響く道を歩けないようだね
夜は夜だけのものではないよ
言葉が通じないね
これでも嘗ては愛し合ったのに
私は
いつだって
優しくて我儘なんだよ
ごめん
悪いけれど
このままにさせてくれないかな
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