せんせい/蒼木りん
喉が渇く
先生
あなたを
思い出すたびに
もう思い出さなくていいと思う
盲目のまま
「すき」なんて言ってしまったこと
いまは後悔している
知るほどに
嫌いな男だった
先生
あなたは
不良だと仰っていたけれど
都合よく秘密を持つことで
危うさを渡っては
満足しようとしていたのでしょう
そんなもの
薄笑いが漏れてしまう
先生
どんなにステータスが上がっても
人が欲するものの果ては
所詮
動物の嘗め合いなのかしら
どうやら
羨望というものが欲しいらしい人間は
自分のことしか考えにないみたい
昔には
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