熟す/蒼木りん
 
行方知れずの貴方は
死んでしまったのかしら

私は爪を染めることも忘れて
焦茶色の瞳だけ奇麗です

恨み言の渦に攫われては
振り切って

汚れた肌を晒したくないから
髪も身体も洗い流す

私を裸に出来るのは
他人の男だけ

つまり貴方は
不安なときにだけ母が必要なんでしょう

好奇心の儘になるなんて
真っぴら

写真は嫌い逢わなきゃ駄目よ
止まっている私なんて見せたくない

我慢しなくちゃ欲は育たない
想い通りいかないのって好い事よ

青年に戻って
身体を触れ合わせましょう

はやく呼んで下さいな
身体が熱いうちに満たされましょう


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