今は、午前11時/バンブーブンバ
いくら言葉を置いたとしても
描き殴られたクロッキーが真っ黒に埋めてしまうように
昨日を
捉えられない
口ずさむと余韻が
この台所の湿り気と冷たさを
口ずさむ
今は、午前11時
私はアールグレーとハムエッグを片手に
日向ぼっこを毛布に眠る愛猫を見つめて
遅すぎた朝食を運ぶ
休日のランニングシューズもサックサックと乾いてる
ランナーは映らない
映らなくても
壁越しに
白い骨のダイアグラムのように
浮かんでは沈みゆく
シルバーと皿の奏でる金属音
鈍ければ鈍いほど
スクランブルエッグは明るい
立ちこめる湯気が
1スナップ、1スナップ、
光をスケッチしてゆく
今
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